光明と隆盛

 僕は一応このブログで近況報告のようなものをしているつもりなのだが、改めて思い返してみれば「社会人になってなんだか精神が鬱屈とするな~鬱屈としてきたな~」ということを延々と申し述べたてているだけで何もこれといった変化が無い。変化が無い日常、そして精神面を逐一近況報告する意味があるのだろうか。そう思ったので今回は近況報告ではなく単純に自分の好きなものについて書こうと思う。

 

 先日『キングオブコント2019』が放送され、まあまあ巷で話題になった(多分)。僕は普段お笑い芸人のライブに足繁く通うほどのお笑い好きではないが、空いた時間に芸人のネタを某動画サイトで観ることはそれなりに好きだ。嫌なことがあった時にそういう動画を観ると一時的に気分がリセットされる。精神安定剤とまではいかなくとも、お笑いは僕に多少の勇気と希望を与えてくれるのだ(クッセェ~)。

 

 そんな中途半端なお笑い似非評論家の僕は毎年『キングオブコント』を適当に流し見していたのだが、今年の『キングオブコント2019』はいつもよりも期待値の度合いが違った。何故かといえば僕が個人的に好きな芸人が出場していたからである。『空気階段』だ。

 『空気階段』の存在を知ったのはちょうど1年前ぐらいだった。僕はその頃radikoのアプリで色々な深夜ラジオを聴くのが日課になっていて、ほぼ毎日のようにラジオを聴いていた。今思えば大学4年生の就職活動を終えた一番フリーなモラトリアム期間に一番時間を割いたのがラジオ聴くことって滅茶苦茶勿体無いな。まあいいや。ともかくラジオは僕の生活の一部みたいになっていた。

 ラジオ自体を聴き始めたのは2年前ぐらいで、オードリーのオールナイトニッポンが面白いとかいう噂だか何だかの情報を得たのが最初のきっかけだった。そこから深夜ラジオ面白いな~、めっちゃ内輪ノリだけど慣れてきたらすごい中毒性あるんだよな~と思い始めて色々なラジオ番組を聴くようになった。人によるけど深夜ラジオパーソナリティって結構私生活とか心情とか赤裸々に語ってくれるから聴き続けてるとまるで友達の話を聞いてるような感覚に陥るんだよな。僕に友達がほとんどいないからそう感じるだけかもしれないけれど。

 そうやって波及的に色々なラジオ番組を聴き始めている内に個人的に滅茶苦茶面白いと感じるラジオ番組を発見した。TBSラジオで金曜日の24:30~放送されている『空気階段の踊り場』である。この番組では芸人コンビ『空気階段』の2人(鈴木もぐら・水川かたまり)が人生のためになる教養をリスナーに提供してくれる。

 僕が『空気階段の踊り場』に惹かれたのは、この番組が人生追体験型ドキュメンタリーのような様相を呈しているからである。今ラジオクラウドというアプリでこの番組が初回から無料で聴けるようになっているが、第1回が放送された時点では『空気階段』はまだあまり知名度の低いコンビだった。その時には売れない芸人ならではの苦労話だったり、将来についての夢想だったりが聴けた訳だが、回を追う毎に芸人としての階段を着実に駆け上がり、徐々に話のスケールが拡大されていく。『空気階段』を知らない方々はラジオクラウドで『空気階段の踊り場』を初回から聴いてみてほしいが、アルバイトの話がテレビ番組の収録にシフトしていったり、恋愛の話が結婚の話に遷移していったり、なんというか如実に"人生"を感じさせる。仕事、恋愛、結婚、借金、不倫、音楽、労働、成長、涙、借金、競馬、麻雀、母親、父親、妹、離婚、借金など、トークテーマも重厚であり、極めて人生的なネタに事欠かない。パーソナリティである2人のキャラクターも申し分なく濃く、いつまで聴いていても退屈しない。ラジオを聴けばわかるが、この2人は社会という枠組みを踏み越えているような、どこかアウトサイダー的な雰囲気がある。そこもこの『空気階段』の魅力であり、『空気階段の踊り場』は僕の中ではもはや精神的支柱のようなラジオになってしまった。

 

 そんな『空気階段』が今年の『キングオブコント』の決勝に出場するかもしれないという情報を見た時、素直に応援したいという気持ちが湧き出てきた。僕は野球に全く精通していないので好きな球団などが無いのだが、好きな球団を応援する野球チームファンの気持ちが少しわかったような気がする(生意気)。

 

 そんな訳で、『キングオブコント』を今年はスポーツの試合を観戦するようなスタンスでちゃんと観てみたのだが…結果は言わずもがな。

 

 僕は卑屈な人間だから、まだあまり認知されていなかった好きな漫画がアニメ化されて知名度が上がり、自分以外の人間がその存在を認知することに謎の抵抗があるのだが、今回の『キングオブコント』でも『空気階段』という面白い存在が世に知れ渡ってしまうことに葛藤を抱いていた。だが、彼らのコントに対する想いを垣間見ることが出来た今は、素直にもっと売れて欲しいと思えるようになった。そして願わくば、僕のようなアウトサイダー寄りの人間たちに、彼らなりのバラエティ性に富んだ最高に面白い生き様が、希望を与えてくれることを夢見るばかりである。

 

 

 

 

 改めて読み返してみるとこの文章書いた奴滅茶苦茶気持ちわりーな。絶対学生時代に教室の片隅でニヤけながら無言で携帯とか弄ってただろ。

 

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